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結婚式の音響・照明という仕事

私がやってる仕事についてなかなかわかってもらえないことが多々あります。

かく言う私もこの職に就くまでそんな仕事があるとは

全く知りませんでしたし想像もしませんでした。

ゆえに、なかなか上手く伝えられず歯がゆい思いも多々してきました。

私もこれまで伝えるということをサボってきたなという思いがあったので、

このタイミングで

・式(もしくは宴)中どういうことをしているのか

・なにができて、なにができないか

ということを中心にまとめることにしてみました。

非常に長いですがご一読いただければと思います。

●結婚式とは

『結婚式とは神仏あるいは人の前で結婚の誓約をする儀式』と辞書にはあります。

神前式、キリスト教式、最近は人前式というスタイルも定着してきました。

式をとり行なった後に、皆様の前でお披露目のパーティー(披露宴)をするのが

一般的な流れとなっています。

(以下、"結婚式"に式と披露宴の両方を含めることとします)

各新郎新婦さんがこの日に向けて、

長い人では1年以上前から、短い人でも3ヶ月程度をかけて

準備をしていくことになります。

そして結婚式に携わる人々(=プランナー、キャプテン、シェフ、サービス、メイク、写真、衣装、花、紙、牧師、聖歌隊、司会、音響…等々)も

この日に向けて準備を開始することとなります。

私たち(というと語弊があるかもしれませんが、結婚式に"関わる者"の意です)の目標は、

"全ての参加者が満ち足りること"

であり、これ以上でもこれ以下でもありません

(と考えておりますが皆様いかがでしょうか?)。

「今日の結婚式よかったねー」

と、全ての人に言っていただくこと。

列席者は「新郎新婦が幸せそうでよかったね」

新郎新婦は「みんなが楽しんでくれてよかったね」

そういう場と時間を作るために、

各々が各々の持ち場で今でき得る最大のことをやるわけです。

結婚式における音響・照明とは

結婚式の音響が何をしているかと言うと、

司会「皆様、大変長らくおまたせいたしました。新郎新婦のご入場ですっ!!」

(音楽) パパパパーン パパパパーン パパパパン パパパパン パパパパン パパパパン

のパパパパーン(↓これ↓)を流している人です。

各シーンにおいて、

適切な音楽をかけ、適切な音量を保ち、適切に盛り上げ、適切に搾り、適切に音を切る。

照明も同様に、

適切なタイミングで適切な光量にし、適切に保ち、適切なタイミングで適切な光量に戻す。

という作業です。

その他、

・マイクの音質や音量の調整(場合によってはマイクの捌き)

・余興における演出

・DVDの再生

また会場によっては

・ムービングライトの操作やカーテン(自動の場合)の開け閉め

等も行ったりします。

●できること・できないこと

ここまで

「こんなことやってんねんぞ(どやっ」

くらいの勢いで仰々しく書いてきましたが、私(たち)ができることは多くありません。

その場にいる人を嬉しい気持ちにさせることも、

楽しい気持ちにさせることもできなければ

その場に感動をつくり上げることも、

驚きを提供することもできません。

できないことばっかりです。

じゃあなにができるの?

存在意義は何なの?

となります。当然。

音響ができること。

それはその場に湧き起こった

"嬉しい・楽しい"

の気持ちを増幅させることや、

想いが想いを呼んで生まれる

"感動や驚き"

の呼び水となることです。

例えば集合写真等のイベントの際に

『楽しげな音楽(雑ですみません)』をかければより盛り上がりますし、

新婦の手紙等のイベントの際に

『ピアノ系のしっとりインスト曲(細かくてすみません)』をかけ(可能なら照明を少し暗くす)れば涙を誘うことができます。

0→1、無から有を生み出すことはできませんが、

その場にいらっしゃる人たちの想いやご協力とともに、

生まれた1を50、100と大きくし、そして0→1を起こしやすくする。

それが音響の「できること」です。

以上の説明から少しでも結婚式の音響のイメージを掴んでいただけたのなら、

これ以上の喜びはありません。

さて、これで終わってもいいんですが、

せっかくなの個人的なことも書いておこうと思います。

ただの自己満です(ので読み飛ばしてくださって結構です。その方は、『最後に』をお読みいただければ幸いです)。

いいんですか?

本当に自己満ですよ?

では書いていこうと思います。

●「できること」のためにしていること

はい。自己満パート突入です。

上記の「できること」のためにしていること。

空気を読む。これだけです。

列席者が会場内に入ってくるところから始まります。

・列席者が緊張していないか

・近くの人と話すのにうるさくないか

・司会は喋りづらくないか

・そもそもこの会場や新郎新婦の雰囲気と合っているか…等々

イベントの際は、

・曲のかけ始めのタイミングはいつがいいのか

・かけ始めの音量はどれぐらいがいいのか

・新郎新婦の表情はどうか

・司会の声は届いているか

・静かすぎないか、うるさすぎないか

・きちんと盛り上がっているか

・適した曲であるか(新郎新婦の指定でない場合)…等々

歓談中は、

・会場内の空気は和らいでいるか

・友人だけ盛り上がりすぎていないか

・親族が置いてけぼりになっていないか

・サービススタッフの声は届くか…等々…

全ての人に満喫していってもらえる様にひたすら(本当にひたすら)空気を読み続け、

どこかに違和感があれば音量や選曲、光量等で調整しその場におけるベターを探し続け、

「できること」へと繋げていきます。

その他、新郎新婦さんや担当プランナーさんとの打ち合わせの際に、

新郎新婦さんがどういう想いで結婚式を挙げるのかを伺い、

選ばれてきた曲やお二人の人となり、そして会場の雰囲気、

知っている司会者さんならその人の特徴等から、

どの様な結婚式になるかを想像し、

どの様な曲を選び、その曲をどのようにかけ、その時の照明はどうすべきか。

ということをひたすら妄想します。

妄想し、悩みすぎて、一度白紙に戻すこともままあります。

が、この作業があるからこそ当日に空気を読めるだけの余裕が生まれるのだとも思っています。

●最後に

非常に長くなってしまった仕事紹介もこれで終わりです。

"音響"と言えば、ライブや舞台の音響(いわゆるPA)だったり、

クラブでのDJを思い浮かべる人が多いだろうと予想します。

"結婚式の音響"もそれらと同じようなことを行いますが、

これらの仕事(PAさんやDJさん)において必要であるプロフェッショナル的な惚れ惚れする精緻さ(音質をぴったり合わせたり、違和感なく曲を繋いだり)よりも、

何が行われているか・これから何が行われるかを判断し、

滞り無く進めていけるという臨機応変さにその本質を見出したいと私は考えています。

しかしながらそれは、専門的なことを学んでいないがゆえの"逃げ"かもしれませんし、

精緻さやもしくはそれ以外に本質を見出される方もいらっしゃるだろうと思います。

そして、それはきっとその人の元では"正しい"ものだろうと思います。

"結婚式の音響"という職の掴みづらさはこの幅の広さに起因するんだろうと思います。

色んな人が色んな解釈してプレーするのでそれがまた楽しいんですよね。

本当に長々と書いてしまいました。

ここまでお読みいただいた皆様ほんとうにありがとうございます。

今まであまり気にすることがなかったかもしれませんが、これから先結婚式にお呼ばれされている方はふとした瞬間に少しだけ気にしてみてください。

ちょっとだけ楽しみが広がります。笑

(気にされすぎると緊張しすぎて手汗・脇汗かきまくるのでご容赦ください)

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